シニア・コミュニティ 2014年7・8月号・90号

【特集】地域は動いているか。

[特集]≪インタビュー≫真の地域包括ケアシステムは、在宅医療を目指す医師が参加する多職種連携の研修事業から始まる。

東京大学高齢社会総合研究機構 特任教授 辻 哲夫氏 高齢化率40%以上の超高齢団地を抱える柏市豊四季台地区。今春に柏地域医療連携センターと24 時間対応サービスの複合施設が開設し、この地 域に「在宅医療を含む地域包括ケアシステム」を構想した東京大学高齢社会総合研究機構は、1 つの区切りを迎えた。特任教授の辻哲夫氏によると、 最大の成果は「医師が参加する多職種連携の研修事業」。この実現にこぎつけるためには、医師会と市町村の意思決定が重要な鍵だった。

[特集]市民が地域を動かす。

どこよりも距離が近い新座市南部の医療と介護。支えているのは「理念」の共有。
認定NPO法人 暮らしネット・えん 理事長 小島美里 氏
テーマは「地域は動いているか」である。「はい、動いていますよ、新座市南部は。30 年この方動きつづけてきました」と答えよう。 30 年を越える地域での連携は、一冊の本が書けるほど中身が濃いもの。大都市圏のベッドタウンで、子育てから介護、看取 りまでの長い時間を地域の仲間たちとともに、激論し、走り、お金もかき集め、ともに必要だと思うことをしてきた。新座市 南部の地域連携は、昨日今日に始まったことではない。

地域医療は堀ノ内病院から始まった。 今から34 年前、堀之内病院の前身である堀ノ内診療所が誕生した当時は、 ちょうど地域に密着した病院が減り始めるころであったという。 インターン制度が廃止されたあとに専門医志向が強まり、学会認定専 門医を造ろうという動きもあった。

かくの木薬局に見る薬局・薬剤師が果たす薬物治療の“ 要” としての役割 かくの木薬局のルーツは堀ノ内病院にある。病院内の薬局が医薬分業によって独立して以来、「地域医療」における薬物治療の“要”として地 域の患者、利用者に向き合っている。いわゆる“門前”に位置しているが、かくの木薬局のほかに薬局は見当たらない。どこの病院の周辺にも見ら れる“門前”の様子とは少し違っている。ここに、他にはない病院と薬 局との強い信頼関係を見ることが出来るのである。

[経営課題]《現場発 施設長の声》リビングウイルを考えることを先延ばししない

特別養護老人ホーム緑風園 総合施設長 菊地雅洋 認知症の理解というテーマで、講演依頼を受けることがある。そこでは脳科学を含めて、認知症とは何かということを明らかにした上で、認知症の症状理解につながるお話をし、認知症の人にどのように対応した らよいのかということを具体的にお話しする。そのため過去に経験した対応事例も紹介する。

[経営課題]シリーズ・介護の扉

「業界内お手盛り」はレアケースなのか? 公正・中立なスタンスを求められているケアマネジャーが、その責を果たしているのか否か。これまで多くのエピソードが嫌というほど語られ、挙句、その「在り方」そのものが当事者不在で論議されるまでに 至ったのは周知の通りだ。とはいえ、どの業界にも「暗部」はある。製薬会社と研究機関、さらには行政との.....。

[経営課題]弁護士直伝!介護トラブル解決塾Vol.16

介護・福祉系法律事務所「おかげさま」代表 外岡潤 弁護士の外岡です。最近はケアマネージャー向けの講演、相談事例が増えてきました。今回は、近時話題になった名古屋の認知症高齢者遺族提訴事件にも触れる形で、認知症の方の徘徊リスク・虐待問題について検討します。

[経営課題]シリーズ・発掘 介護チャレンジャーを探せ!!

「つどい場さくらちゃん」は人が「まじくる」場だ 「なぜ本を出したかって? 怒りよ、怒り」電話の向こうで丸尾多重子さん(NPO 法人・つど い場さくらちゃん理事長)は言い切った。丸尾多重子さん、通称「まるちゃん」は、2014年2月に「ばあちゃ ん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!」(ブックマン社刊)を医師の長尾和宏氏との共著で出したばか りだ。

[連載]シリーズ・施設探訪

革新的デザインで予約満室のサービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅「わかたけの杜」は、広さ約50㎡の戸建てタイプ全42 戸と、約40㎡のクリニック併設タイプ全4戸が、昨年10 月の見学会初日ですべて予約済みとなったという。“ 本当に住み続けられる住 まい” をコンセプトにした低層連結型の住宅デザインが支持されたようだ。

[連載]シリーズ・介護施設のための健康講座

第4 回 緊急報告「介護・福祉施設に深刻な被害を与える新型ノロウイルス」 介護・福祉施設で続発するノロウイルスによる大規模食中毒事件
今年は介護施設、福祉施設で大規模な感染症被害が続出する可能性 が高い。昨年の暮れから今年にかけて、数多くの新型ウイルスが世界各 地で大規模な被害をもたらしているからだ。新型ノロウイルスG Ⅱ変異 型、新型鳥インフルエンザH7N9 型、そして5 年前に.....。

その他コンテンツ

[コラム]仙台から「地域」を考える<その1>まず、地域にこだわる理由を話そう。
[コラム]《老人たちの居場所》団塊の世代の特徴は5つあるという説
[World News]オランダの新しい介護事情を探る 第10回
[World News]イギリスのホームドクター、認知症ケア、ホスピスの実情を探る 第3回
税込価格 1,100円(税抜価格1,000円)
体裁 A4変形判60ページ
発行日 2014年7月15日

ご注文・バックナンバー

◇◆◇バックナンバーはこちら→雑誌「シニア・コミュニティ」◇◆◇
ご注文用紙(雑誌)

※PDF文書の閲覧には、Adobe Readerが必要です。お持ちでない方は、ソフトウェアをダウンロードしてご覧ください。
Adobe Readerのダウンロードはこちらから→Adobeサイト